コノハの世界事情 part1

579 18 4
                                    

序章

「危ない!!」 ものすごいスピードで走ってきたトラックが、 泣き叫ぶ少女の前で、 彼女の親友とぶつかった。 その小さな身体は飛び散って... 即死だった。 これは彼と彼女と、 そしてもう1人、 未来の彼のお話。

第一章 一節

???? @ とある実験室

完全回復まであと: 23日

安らかに眠っていた僕を起こしたのは、 「ヴォオオオン」 という、 耳を劈くようなモーターの音だった。

(「あれ?」) 僕はふと思った (「なんで?...どうして生きているんだ...?」) まさかと思いながら体を動かしたら (「っっ!」) 痛い... という事は、 神経がきいている。本当に生きていると言うとこか? だけど視界が眩んで物がはっきりと見えない。

タッタッタッ... 床を走るような音と同時に、 聞き覚えのない声が聞こえてきた。

「博士ぇーーー!! 来てください!! 目覚めましたーーー!!!」 その声は女の人の声に聞こえた。

しばらく、ぼんやりと物を見ていた。 すると、ここがどこかの実験室に見えてきた。

「博士っ! 早くしてください!! また眠りに着いてしまいますよ!!!」 また、 先ほどの女の人の声が聞こえた。

「まったく... うるせぇなぁ... 俺は他の博士達と違って、 全然機械の事は知らねぇのに...」 今度は 男の声だ。 話し方からして、 そう年は取っていないだろう。 「博士」 と言うと、「おじさん」 を思い浮かべてしまうのは僕だけじゃない。

僕がいる実験室の扉が「ガラガラ」 と音をたてて開いた。 扉の向こう側には ーはっきりとは見えないがー 人が2人立っている。 すると、 1人がこっちに向かって歩いてくる。 もう1人はチラチラとこちらを見て、何が起こっているのか気にしている様だ。

「気分はどうだ」 急に、歩いていた足を止め、 僕に話しかけた。 その声は、あの女性と話していた「博士」の声だった。

(「僕は... 死んだはずじゃないのか?」「ここはどこ?」) 色んな事を聞きたかったのに、声が出ない。

「... そうか... まだ身体が回復していないんだ。 機械と言っても、人間の体を使ってるしな。」(「????」) 意味が全くわからない。 機械? さっき話していた機械とは自分の事なのか?? 意味不明なまま、 僕はまた、 眠りに落ちた。 最後に聞こえたのは博士の声だった。「君の身体はこれから色々と役に立つよ。 なぁ... コノハ君?」

You've reached the end of published parts.

⏰ Last updated: Nov 30, 2012 ⏰

Add this story to your Library to get notified about new parts!

コノハの世界事情Where stories live. Discover now