The path of Light and Shadows
2 Kapitel Laufend 光と影の道
序章
空が裂け、大地が崩れ始めたとき--
この世界を飲み込んだ「闇」の名を知る者は、誰一人としていなかった。
それは轟音と共に現れたのではない。
沈黙の深淵から這い出るように、すべての希望を押し潰しながら、静かに世界を蝕んでいったのだ。
大地は塵と化し、街は記憶だけに残り、
天の星々は震え、まるで消えゆく炎のように揺らめいた。
廃墟の中から、ひとりの者が立ち上がった--
彼は英雄ではない。
選ばれし者でもない。
ただの旅人。
炎と影から生まれ、
予言を背負うことなく、
ただ傷と、自らもまだ知らぬ力を抱いて歩き始めた者。
その背後には、ささやき声が渦巻く。
「希望だ」と呼ぶ者もいれば、
「人の皮を纏った破滅」と語る者もいる。
だが、彼は名誉を求めず、
復讐に生きるわけでもなかった。
彼が求めたのは--
ただひとつ、「答え」だった。
なぜ、世界は崩れねばならなかったのか?
この腐敗の裏には、何が潜んでいるのか?
そして、
光と影を心に抱いた、たった一つの魂は
果たして運命を変えることができるのか?
この旅に地図はない。
道は、血と炎と、言葉にできぬ沈黙で刻まれてゆく。
これは--
決して安易な勝利の物語ではない。
これは、
崩壊、
抗い、
そして「何か」へと変わってゆく、
そんな物語である。
これこそが......
光と影の道。