砂。赤茶色の砂が地平線の彼方まで永遠と途切れることなく続いている。杖をついている老人がその砂漠の中に佇んでいる。彼はその地平線の先に見える青い星を見つめている。皺だらけの目尻を少しだけ上げた。加齢でまともに機能を果たさない声帯を震わせ、嗄れた声で呟く。
「もう、人は生きていてはならぬ。それが彼らのためだ。存在意義などもう消え果てた。生きることこそ、人の苦しみだ。絶やさねばならぬ、皆等しく」
冷え切った双眸が見ていたものは青い星の未来。その残酷な未来は狂った老人の背中を押していた。

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砂。赤茶色の砂が地平線の彼方まで永遠と途切れることなく続いている。杖をついている老人がその砂漠の中に佇んでいる。彼はその地平線の先に見える青い星を見つめている。皺だらけの目尻を少しだけ上げた。加齢でまともに機能を果たさない声帯を震わせ、嗄れた声で呟く。
「もう、人は生きていてはならぬ。それが彼らのためだ。存在意義などもう消え果てた。生きることこそ、人の苦しみだ。絶やさねばならぬ、皆等しく」
冷え切った双眸が見ていたものは青い星の未来。その残酷な未来は狂った老人の背中を押していた。