大阪の西野屋本店では9時からの会議に国内8店から店長が、一代でトラックでの業商から国内8店、海外5店舗を築いた、今年78才に成る、清水鉄男会長の入場を待っていた。会議室
に向かう途中の男子トイレに入る清掃担当の美智子を見かけた。しばらくすると、だれも居ないはずの、トイレに向かってお辞儀をして居る。
会議室では異様な雰囲気を模様してた。海外事業が円安で日本からの投資が削減され閉店の危機にさらされて来ているからだ。
重いドアが開くと鉄男が入室して来た。役員達は姿勢を正し沈黙する。鉄男は深く椅子に座り役員一人一人の顔を確認した。
専務の従兄弟で創社依頼勤める安達が経営状態を正面のスクリーンに映し出し説明し始めた。想像以上の状況に会議室の空気が重苦しく成って来た。一通り話が終わり、真空状態の時間に安達は鉄男の視線を感じていた。ドアが少し開いた。"あ"っと美智子の声が会議室に響いた。余りの静けさに,会議をして居る事が見抜け無かったのだ。"大変失礼しました。"と頭をさげる美智子に鉄男は"忙しいと思うけど、お茶を入れてくれんかな?"と話し掛けた。次の瞬間に安達が美智子に駆け寄り会議室に入る様に促した。役員達は人形の様に動きを止めていた。会議室にある給湯室に入り幾つも有る湯呑みの一つを選び出した。 鉄男が会社設立の時,使ってた湯呑みだった。お湯で温めて急須に上等そうな茶を入れてからペットボトルの水を少し入れてから,コップに注ぎ風味を確かめてから,お湯をゆっくり急須に入れ、それを湯呑みに注いだ。安達はトレイを見つけ美智子に鉄男の所に持って行く様頼んだ。