〜木漏れ日の中私は歌うよ心の中でも
アナタとの別れさえも忘れ去り
歌い過ごしましたあの虹色の空の中
風鈴の音色が道を行くあの想い出の中
世界が舞う間忘れ去るまで言葉のない唄を歌いつずけている〜〜私の叔母がこの世を去った後感情のままに作った唄、彼女はよく私に透きとおった声で私に優しく歌ってくれた。私に音楽というものを教えてくれた。
気がつけばいつも口ずさんでしまう。未だに終わらせていないし、なまえさえもない。
いつか終わらせることができるのだろうか?繰り返し、このなまえのない唄を口ずさんでいるのを、誰かに木の陰から聞かれていることにきずいていないみたいで、それが昼間屋上で会った人だとは思っていなかったと思う。
・・・・・・・
あの場所へ近ずくにつれ歌声がはっきりしてきた, 最初は空耳だと思っていたけど一歩、また一歩と近ずくほどしっかり聞こえてきた。彼女に歌うという才能があるとは想像したことがないと思う、確かに綺麗な声を持っているが、無愛想でそっけないそしていつもつまらなさそうな喋り方ではあんまり気がつかない物なんだな。
そのあと結局木の後ろに隠れて、彼女の歌にみみをかたむけつずけていた、夕暮れの光が木々の隙間から漏れていて木漏れ日になっていた、曲の一部みたいな、曲の中に入り込んでしまったかのような空間が広がっていた。
きずけばもう日が暮れてあたりが藍色に染まり始めてきた頃に背後からドサッと彼女が木から飛び降りる音がした。
彼女の後ろ姿を眺めながら明日も話しかける決心をした...
「やっぱり一目惚れなのかな?」