エレメントの予言

第14章：勇気と強靭さ

ノエ、オノリーヌ、ジュリアンのチームは、光のプラットフォームを使って猛スピードで進んでいた。オノリーヌはジュリアンに不満を漏らし続け、ジュリアンは明らかに苛立っていたが、ノエはこの機会を利用して仮眠をとっていた。突然、進行方向に一人で歩いている人物を見かけた。ノエは驚いて目を覚まし、彼らに降りるように言った。返事を待たずにノエはプラットフォームから飛び降り、炎を使って急速にその人物に突進した。

ノエは炎の拳で突進したが、フードをかぶった謎の人物は彼の手首を掴んで動きを止めた。ノエはすぐにその掴みから逃れたが、相手は巨大な石の塊を投げてきた。ノエは最近、石使いが多いと感じたが、考える暇もなく、相手がその石を熔岩に変えた。熔岩の一部がノエの顔に焼けつく。ノエは歯を食いしばった。

オノリーヌは水のドラゴンの翼を使って迅速に反応し、人物の周りに水のドームを作り、ジュリアンがそれを強化して不動にした。男性はドームの壁を叩き続けたが、脱出できなかった。オノリーヌはノエを治療し、ジュリアンは慎重にその人物に近づいた。

ジュリアンが数歩進んだところで、男性は自らを紹介した。「私はレミー、しかし探検家のレムと呼んでほしい。申し訳ない、悪魔に襲われたと思った。」

ジュリアンはノエに向き直り、眉をひそめた。「なぜこの探検家を攻撃したんだ？」

ノエはショックと後悔で口ごもりながら謝罪した。その時、暗い声が彼の心に警告をささやいた。「レムに注意しろ、彼を殺せ。彼は悪い奴だ。どうして単なる探検家が二つの元素をこれほど操れるんだ？何かおかしい。」

理性を失い、ノエは水のドームを壊し、レムの襟を掴んだ。探検家は瞬時に反応し、ノエの肘を外して彼を地面に投げつけ、武道の技を駆使した。ノエは痛みで叫び、体中に鋭い痛みが走った。ジュリアンはレムの効率的な動きに驚き、彼の単なる探検家という身分に疑いを持ち始めた。

ジュリアンはノエの誠実さを信じ、彼が闇に堕ちていないと確信した。ジュリアンは傷ついた仲間を抱きかかえ、慎重に後退した。「お前の本当の正体は何だ、レミー？」と彼は疑わしげに尋ねた。

レムはゆっくりと頭を上げ、その目には危険な輝きがあった。「君たちは鋭いね」と彼はニヤリと笑った。「私は単なる探検家ではない。本当の名はレマリウス、ここに来たのには理由がある。」

オノリーヌは不安そうにジュリアンに近づき、「それはどういう意味？」と問いかけた。

「君たちはまだ理解していない力が働いているんだ」とレマリウスは答えた。「私は君たちの敵ではないが、まだ君たちには理解できないことがある。」

ノエは痛みをこらえて少し身を起こした。「じゃあ、説明してくれ」とかすれた声で言った。

レマリウスはため息をつき、その目に一瞬の柔和さが現れた。「悪魔がうろついている中で、リスクを冒せなかった。私は重要なものを探しているんだ。そして君たちも同じ涙を探しているが、目的は違う。私の民は危険にさらされており、その力が必要なんだ。」

ジュリアンは依然として警戒しながら、「君を信じる理由をもっと教えてくれ」と言った。

レマリウスはそれぞれの顔を見つめ、言葉を慎重に選んだ。「私も同じ涙を探しているが、理由が違う。私の民は危機に瀕しており、その力で彼らを守りたい。私の家族の一部は悪魔の民に滅ぼされた。女神を救うことで、平和をもたらし、ほぼ神の力を得たいんだ。」

オノリーヌはジュリアンと疑わしげに目を合わせた。「どうやって君が真実を言っていると分かるの？」

レマリウスは一歩前に出て、両手を上げて平和の意を示した。「誠意を証明するために、次の涙を見つける手助けをさせてほしい。もし裏切れば、君たちが私を倒す権利がある。」

ノエは依然として痛みの中で、「もしかしたらチャンスを与えるべきかもしれない。私たちはあらゆる助けが必要だ。」と言った。

ジュリアンは考えた後、ゆっくりとうなずいた。「分かった、レマリウス。でも、君を厳しく監視する。一つでも間違えれば、私が君を始末する。」

レマリウスは微笑み、「それで十分だ」と答えた。

雰囲気は緊張したままだったが、新たな同盟が形成された。グループは再び光のプラットフォームに乗り込み、次の目的地に向かって進んだ。ノエは思索にふけり、なぜ自分がもっと強くなれなかったのか、なぜ衝動的に行動したのかと自問していた。