俺もう疲れちゃった

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8-2の優等生杭瀬しおう。しおうは英語のスペリング大会で優勝していて、A+のガチ潔癖で緊張面な人間プリンター。スポーツはなんでもできるくらいの運動神経をもち、数学もトップクラス。
そんな奴が、闇を持っていない訳がない。
僕はしおうを尾行する事にした。

僕はあまりしおうと話した事がない。しおうはただのクラスメイトレベルで仲の良さだった。僕はあまり彼と共通点がない気がしていて、自然と僕達は神によって離されていったのだと思う。しおうと僕ではまるでタイプが違う。キラキラと輝いて、目立っていてなんでもできるしおうと比べて僕はろくでなしのクズだ。僕としおうは二つの教科で席が隣だ。宿題をやらない僕にしおうはいつも見せてくれる。
そんな真面目でイイヤツなしおうの裏を暴くべく、僕は尾行を試みた。
しおうは夏でも絶対に冬服を着ている。バレないようにいつもカーディガンを着ているけどカーディガンの袖をまくったり、理科で実験をする時にはいつも長袖だ。僕は気づいてしまった。しおうの袖の先から、絆創膏がはみ出ている事。僕はしおうに家に入れて欲しいと頼んだ。
しおうは何も疑う事なく入れてくれた。僕は前もってしおうの筆記用具(USB)を学校に置いて行く事でしおうを一度学校に戻らせ、僕一人しおうの部屋にいることに成功した。
しおうの部屋には机とベッドまぁ、普通な感じな部屋だった。机には筆記用具が綺麗にずらりと並んでいた。中にはカッターが何種類もあった。全てのカッターには皮膚が少々と血も少しついていた。しおうはリスカしているのか?しおうのゴミ箱からは、くしゃくしゃになった紙に「辛い」「死にたい」「もうやだ」「疲れた」などと書いてあった。丸まったティッシュには血が付いていた。絆創膏のからもあり、きっとしおうはリスカしているんだろう。しおうのベッドの下にはロープ、ビニール袋、睡眠薬らしきものが置いてあった。天井には最近つけられたと思われるフックが装着されていて、フックの先にはロープの一部のようなものが付いていた。色々探っていたら、しおうの日記らしきものがでてきた。そこには数々の苦しみ、親からの拘束、縛れていたんだ、しおうは。
僕は怖くなった、しおうが帰ってきて僕は笑顔で済まし、帰った。

僕達は汚れている。Where stories live. Discover now